髪を下ろしたあの人は
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私は高鳴る胸を押さえながら、ゆっくりと瞼を持ち上げる。
私は自分の回りを直ぐさま見回してみるけれど、何か変化があるわけではなかった。
その後すぐに景時さんに視線を移してみるけれど、景時さんも私が目を閉じる前と何も変わった様子はない。
「?景時さん、一体何が…」
何が変わったんですか?
そう言おうとした私の言葉を遮って、景時さんは人差し指を空に向ける。
私はそれに導かれるように、顔を上げた。
「……っ!」
私は思わず息を飲んだ。
見上げた先に私の目に映った夜空の素晴らしさに。
私が瞼を閉じるまでは、分厚い雲に覆われていた空。
それが今はどうだろう。
宝石のように美しく輝く無数の星々が空の上に広がっていた。
それは束のようになって、さながら天の川を紡ぎ出している。
「すごい……すごいですよ、景時さん!」
私は思わず景時さんの名前を叫んで、抱き付いてしまった。
まるで望美や朔にそうする時と同じように自然に抱き付いてしまった。
あまりに美しい夜空を前にして、私は興奮してしまっていたのだと思う。
景時さんは、私の突然の行動に憐れなくらいに動揺していた。