髪を下ろしたあの人は
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皆に極力迷惑を掛けないようにしてきたつもりだったけれど、知らず知らずの内に心配をかけてしまっていたらしい。
私はどうやら、まだまだ考えが甘いらしい。
反省しなければいけないな、などと考えていると、景時さんが私の鼻をきゅっと摘んだ。
「…な、何するんですか、景時さん!」
「奏多ちゃんが“ぶさいく”になってるよ?」
にっこり笑って、すぐに鼻から手を離した。
…また望美からおかしな言葉習ってるし。
どうしてぶさいくなんて言葉教えるかなぁ。
「奏多ちゃんは笑ってた方がいい。オレ、何度も言ってるよね?」
「言ってます。分かってます」
「奏多ちゃんが今悩んでいることは、オレには相談出来ないこと?」
私は少し悩んでから、小さく頷いた。
話せないのは本当に辛い。
でも時空を越えて運命を変えているだなんて、そんなことは言えない。
「それは望美ちゃんや、朔にも話せないこと?」
「…はい、ごめんなさい……」
私がしゅん、と項垂れると、景時さんは慌てて両手を振った。
その動作がなんだか少し面白い。
「あーっ!違うんだ、奏多ちゃんに謝って欲しい訳じゃなくて…その、困らせたい訳でもなくて……」
私が景時さんのあまりの慌てように驚いてきょとんとしていると、景時さんは右手をぱちん、と鳴らした。
その仕草は何だかヒノエっぽかった。
「うん、今から魔法をかけてあげるよ。奏多ちゃんが絶対に笑顔になる魔法」