髪を下ろしたあの人は
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私が言うと景時さんはぽん、と手を叩いた。
どうやら七夕のことは知っているが、すっかり忘れてしまっていたらしい。
女の子にとっては、織り姫と彦星の話はとてもロマンチックで憧れるものであるけれど、男の人にとっては大して興味のないものなのかも知れない。
それとも景時さんが、そういったことに疎いだけかも知れないけれど。
「織り姫と彦星の天の川の話だよね?だから奏多ちゃん、久しぶりに空を見てたんだね~」
「景時さん、私が空を見なくなったの、知ってたんですか?」
私は正直に景時さんの言葉に驚いた。
まさかそこまで景時さんが私のことを見てくれているとは、全く思わなかったのだ。
私が景時さんを見上げると、景時さんは柔らかく微笑んだ。
まるで私のことなら何でも知ってるよ、みたいな表情だった。
「奏多ちゃん、変わったからね。春の頃は京邸の窓から空ばっかり眺めていたけど、三草山での戦いが決まってから、全く見なくなったでしょ?」
「はい、やらなくちゃいけないこと、出来ましたから」
「いつも何かに追い詰められたような顔ばかりしていたから、心配していたんだよ。戦いが、奏多ちゃん自身を押し潰してしまうんじゃないか、って」
そう言った後に、九郎さんと弁慶さんもとても心配していることを教えてくれた。