あの遠き海へ願う
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いつだって
どんな状況だって
私は君の“特別”でいたいの
それ以上も
それ以下もなくて
だって私はこんなにも
君のことが大好きなのに──
《みんなと一緒は嫌》
睨みつけるように。
不機嫌な顔で見上たところで、緋色の瞳が揺らぐことはない。
私がそんな顔をしても、彼は少しも気に留めてくれやしない。
それが悔しくて悔しくてたまらない。
大人になりたいと、常日頃から思っているけれど、でも心は頭で考えていることには追いつかなくて。
子供じみた我儘で、彼を独り占めしたいと思ってしまうのだ。
燃えるような緋を持つ人──ヒノエを私が睨みつけたのにはもちろん理由がある。
そういう分別はさすがにある。
誰彼構わず睨みつけて、喧嘩をふっかけたりはしない。
どこかの銀髪の好戦的なお兄さんとは違って。
『ごめんね、奏多。どうしても断れなくて…』
ヒノエの傍らにいた望美が、彼には分からないようにぱくぱくと口を動かす。
この世界に来てからリズ先生に読唇術を教えてもらったおかげで、望美の言葉を理解することは雑作もないことだった。