人ならざるものであっても
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もしかしたら私が一番に帰って来たのだろうか。
首を傾げながらリビングに入れば、敦盛くんがいた。
ソファーに腰掛け、固く眼を閉じている。
その光景に、一瞬心臓が止まってしまったような錯覚に陥った。
瞬きをすることも、息をすることさえも忘れて。
背中を嫌な汗が伝い落ちるのを感じる。
彼の名を呼ぶことも出来ないまま、私は足を引きずるようにして敦盛くんに近付いた。
陶磁器のように美しい肌。
閉じられた瞼を縁取る長い睫毛。
すっと通った鼻筋と、形の良い唇。
男の人なのに、私なんかよりもずっと綺麗で。
“奏多の方が可愛らしい…と思う”
私が敦盛くんを綺麗だという度に、彼はそう言ってくれるけど、私はやっぱり敦盛くんの方が綺麗だと思うんだ。
「敦盛くん…?」
おそるおそる、小さく呼びかけてみる。
でも、返事はない。
叫んで、揺さぶって確かめれば良いのかも知れない。
だけど怖くて行動に移せない。
私はそっと敦盛くんの口元に掌を近づける。
ちゃんと呼吸をしているかどうかを確かめるために。