人ならざるものであっても
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向こうの世界に行くまで、怨霊なんて存在は知らなかった。
怖い話なんかで妖怪やお化けなんかはよく登場するけれど、怨霊は知らない。
だから、怨霊という存在を構成する何かが私達の世界にもあるのか不安だったのだ。
この世界に来て、敦盛くんがすぐに消えてしまう、といった事態は無かった。
でもだからといって、いつまでもここにいられるという保証はどこにもない。
それは他のみんなにもいえることかも知れないけれど、敦盛くんに限ってはその心配が誰よりも強い。
私にとって敦盛くんは大切な人だから。
だから心配せずにはいられないのだ。
鎌倉の町で起こり始めた怪異の真相を探るために外出していた私は、とりあえず報告のために有川家に戻ることにした。
今日は望美達も別行動で鎌倉の捜索をしているはずだ。
情報の共有をしておくのが定石というものだろう。
将臣から手渡されていた合鍵で家の中に入る。
電気は点いているものの、家の中はしん、と静まり返っていた。