あの遠き海へ願う
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この身体が朽ちても
この魂が還っても
君が私を忘れても
私の心は君のもの
何があっても
この気持ちだけは
偽ることは出来そうにない──
《ばいばい、大好きだよ》
身体を貫く刃の感触。
ああ、もう何度目だろう。
何度となく経験してきた痛み。
でも、この痛みだけはどうにも慣れない。
単純に身体の痛みだけなら平気。
そんなものは割とすぐにどうでも良くなった。
だって苦しいのは私だけだから。
痛いのは。
苦しいのは。
君が泣くから。
「泣かないで、ヒノエ」
話そうと口を開けば、口の中に血の味が広がった。
指先の感覚がなくなってきた。
どうやらまた“別れ”が近付いてきているらしい。
君を守ることは出来たけど、まだやっぱり君との未来を私は掴むことが出来ない。
どうすれば君と二人で幸せな未来を迎えることが出来るのだろう。
壇ノ浦の海。
熊野水軍の舟の上で、私はヒノエに抱え起こされた姿勢で横たわっていた。