人ならざるものであっても
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「だから、一緒に傘の中に入るの」
「っ!」
言いながら私は広げられたままんも敦盛くんの傘の中に入る。
ほんの少し肩が触れて、敦盛くんが驚いて身体を強張らせる。
「奏多、お前がこれを使え。私はそのままで帰る」
そう言って敦盛くんは私から視線を逸らし、傘から出て行こうとする。
私は敦盛くんの腕を咄嗟に掴んでそれを阻止する。
いくら敦盛くんが人の身ではないと言っても、雨に打たれ続ければ体調を崩してしまうかも知れない。
しかもそれが私のために傘を持って来てくれたから、となってはとても申し訳ない。
「ダメ!風邪、引いたら困る」
「奏多…私は…」
敦盛くんは言い澱んだけれど、何が言いたいのかは分かってる。
それでも、嫌なものは嫌なのだ。
せっかくの二人きりでいられる時間を、自ら手放してしまいたくない。