あの遠き海へ願う
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「おおっ!なるほど。そんな簡単なことだったんだね」
「少し考え方を変えればいいだけの話だよ。何も数式だから数式で解を求めなければならないってことはないってこと」
目から鱗の気分だ。
少し大袈裟な気もするけど、この際そんな些末なことは気にしない。
「次も空いてるってことは、この後空いてる問題は全部分からないってことかい?」
「…てへ☆」
「…奏多」
「…あは」
「さっきの顔、他の男にはしないって約束だよ、奏多」
「…りょ、了解」
ヒノエは少し困ったような表情を浮かべてから、私の唇に唇を重ねた。
「一問解くごとに一つご褒美をもらえるっていうのも悪くないね」
「…許可してないけどね」
「ふふ…相変わらずつれないね」
この調子なら思っていたよりも早く宿題は終わるかも知れない。
その時は家庭教師をしてくれたお礼に、一つくらい望みを叶えてあげてもいいかも知れないとか、そんなことを考えながら私はもう一本シャーペンを探した。
新しい世界に馴染むことは
何も悪いことじゃない
私はただ、
疑ってしまいそうになっただけ
この世界を知って
色んなことを知って
君の心が私から
離れていってしまうんじゃないかって
そんなこと絶対に
あるわけないのに──
《終》