あの遠き海へ願う
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手段は、選ばない。
今までだってそうしてきた。
だから、これからもそうしていくつもりだ。
誰に何と言われても、私は私の考えを改めるつもりはない。
水平線を船の上から見つめる。
遠くに見える熊野。
私は今から…
あの場所を攻め落とす──
悩んで悩んで決めたこと。
私は彼の一番でいたい。
彼に愛されるのは、私だけでいい。
優しい言葉を囁かれるのも。
きつく抱きしめられるのも。
全部、全部。
私だけのものにしたいんだ。
思考に耽っていれば、ふわり、と塩の香りが変化する。
「信じたくなかったんだけどな。奏多、お前が此処にいることを」
甘い、声。
こんな時なのに、私の名前を穏やかに呼ぶ。
私の背後には、無数の舟。
熊野を落とすための。
「まさか、私もこんなところで会えるなんて思ってなかったよ」
次に会うのは戦場の直中だとばかり。
血と塩の香りが交わる中で。