あの遠き海へ願う
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この世界には存在しない筈の人
繋がらぬ海の先に居た人
でも、今彼は
此処に
私の側に居て
誰よりも無邪気に笑っている──
《いつの間にか》
カシャ──
良く晴れた日の昼下がり。
いつものように有川家のリビングに置かれたソファーで横になり、ふわふわと気分良く微睡んでいたのに。
その幸せな時間をぶち壊すシャッター音。
一体誰だ。
私の安眠を邪魔する奴は。
愛刀の錆にでもなりたいのだろうか。
苛立ちを隠す事もせずに瞼を持ち上げれば、目の前には燃える焔の赤。
そしてその手には携帯電話。
やはり“彼”だったか──
「やぁ、お目覚めかな、姫君」
「………」
「あぁ、奏多。眉間に皺を寄せたりしたら、折角の可愛らしい顔が台無しだろ。ま、オレはお前の怒った顔も、嫌いじゃないけどね」