人ならざるものであっても
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将臣は満面の笑みを敦盛に向けながら、敦盛の細い肩をがくがくと揺さぶる。
将臣の強い力によって、敦盛されるがままになる。
こういった彼の多少力任せな強引な所も、敦盛は嫌いではなかった。
平家は幾度となく、彼のこの明るさとひたむきさに救われてきたのだ。
素直に好意を露わにする彼を、敦盛はいつも羨ましいと思っていた。
話題に出た“奏多”というのは、彼と同じ世界から喚ばれた彼の幼馴染みだ。
源氏の神子であり、そして応龍の神子。
平家の、敵。
それでも敦盛は、あの少女に心惹かれてしまった。
怨霊という忌むべき存在でありながら、彼女の瞳に映りたいと願うようになってしまった。
決して許されぬ想いだと知りながら。
「悪いな、敦盛。もし奏多を見つけたら、俺の部屋に来るように伝えてくれ」
「はい、分かりました」
「じゃ、頼んだぜ」
敦盛に大きく手を振りながら、将臣は遠ざかっていった。
その広い背中を見送りながら敦盛は考える。
奏多の居る場所を。