あなたは私の世界の中心
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「嬉しいけど、私は死にたくないの」
「奏多…先輩……」
「譲、君の夢見は必ず当たる。君が守ってくれたとしても、私が今のままでいるかぎり必ず死ぬ。それなら此処を離れるしか無い。行く宛てはないけど、何とかする」
「何とかって…そんな兄さんみたいなこと言わないでください」
譲は呆れたような表情を見せる。
ほとほと兄の行動に困り果てているのだろう。
その口調がそれを大いに物語っていた。
「そうだ!兄さんに連絡をとって───」
「将臣には頼れない」
「どうしてですか!?いい加減な人だけど、いざという時には奏多先輩の力になってくれるはずです」
文句を言いながらもさすがは兄弟。
譲もなんだかんだといっても将臣を頼りになる兄として認めているのだ。
確かに将臣は私を助けてくれるだろう。
しかし今の譲の言葉は、将臣の正体を、置かれている立場を知らないからこその言葉だ。
将臣の下に行くことは出来ない。
だって、将臣は還内府。
平家の惣領なのだ。
平家の中には私を目の敵にしている者もいるだろう。
みすみす敵の内に飛び込むわけにはいかない。