あなたは私の世界の中心
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その背中を見送りながら、兄さんは口を尖らせる。
ふてくされたような表情は、とても高校生のものとは言えないほどに子供じみていた。
「ちぇー…俺がせっかく珍しく勉強やる気になったってのに」
「…兄さん…あまり口出しするつもりはないけど、勉強はちゃんとしろよ」
「分かった、分かった…赤点取らねぇ程度には勉強するって」
「…じゃあ、俺は自分の部屋で勉強教えてもらうけど…昼ご飯、テーブルの上に置いてるから」
「おー、サンキュ」
ぼりぼりとまるでどこぞのおっさんのように足を掻きながらリビングに消えていく姿を見送ってから、俺は奏多先輩の待つ自室へと向かった。
階段の踊場に置いていたお茶をちゃんと回収してから。
「すいませんでした、奏多先輩」
「ん?何が?」
「その…兄さんのこと…いつも奏多先輩を困らせることばかり言って」
兄さんの代わりに謝罪すれば、奏多先輩は笑って手をひらひらと振る。
「譲が謝ることじゃないよー。それに将臣はいつもあんな感じだし、付き合い長いからああいうやりとりも、もう慣れちゃった」