縮まらない二人の距離関係
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今までだって、ずっと耐え忍んできたのだ。
希望の光すら見えない漆黒の闇の淵で。
もしかしたら、将臣殿は幼馴染みを忘れられないかもしれない。
最終的に私の手を取ってはくれないかもしれない。
それでも、微かに見え隠れする純白の希望に、私は縋らずにはいられない。
僅かでもそこに望みがあるのなら、私はまだ、彼を想っていられる。
「……本当に、ありがとう。俺、奏多には我儘言ってばかりだな」
「良いのです。あなたの心が、私などの存在で少しでも安らぐのなら。私は将臣殿に気にかけていただけるだけで幸せでございますから」
謝罪よりも、感謝を。
それは本当にいつでも前向きに物事を考える将臣殿らしくて、私は小さく笑った。
そんな私を見て、将臣殿も優しく笑う。
ああ、神様。
どうか、私達に優しい結末を。
叶わぬのなら、それ以上ないほどに絶望の底へと叩き落として。
あなたの記憶を
あなたの想いを
改竄できたらいいのに
私だけを見て
逢ったこともない女のことなんて
忘却の彼方へと葬って───
《終》