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そういうさり気ない気遣いがやっぱり嬉しくて。
ますます俺は奏多先輩に惹かれてしまうんだ。
ぐるぐるぐるぐる、螺旋階段のように、ずっと。
「なんだ、譲に用事だったのか」
「そうだよ。もうすぐテストでしょ?分からないところがあるから教えてほしいって」
「おいおい譲、そういうのは先にお兄さんに聞くもんじゃないのかよ」
「…将臣は自分の勉強しなきゃでしょ」
「テストなんて適当にやりゃあいいんだよ。一夜漬けで十分だろ」
いい加減な兄さんの態度に奏多先輩はわざとオーバーに肩を竦めてみせた。
兄さんには甘い一面を見せることもある奏多先輩だけど、しなければならないことを軽んじることに対しては厳しかったりもする。
だからこそ、俺は卑怯なのかも知れない。
そんな奏多先輩の真面目な一面を逆手にとって二人きりになれる時間を作ろうとしているんだから。
俺がそんなことを考えているなんて奏多先輩が知ったら、俺のことを軽蔑するんだろうか。
「将臣も譲を見習って、ちょっとは真面目に勉強しなよ。元々頭良いんだからさ」