何よりも優先すべきは
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リズ先生が、私を?
ますます訳が分からなくなって困惑する。
京を離れる前に、何かリズ先生に対して粗相をしでかしてしまったんだろうか。
ああ、それなら一刻も早く謝らなくては。
「リズ先生、ごめんなさい。私、何か先生にご迷惑をおかけしてしまったんでしょうか。」
「いや、お前は何も悪くはない」
「?」
完全に私の思考回路はショートしてしまう。
元々そんなに頭の回転が良い方ではないものだから、たまにリズ先生や弁慶さんにちょっと難しいことを言われてしまうとお手上げなのだ。
どうすることも出来ずにフリーズしていれば、リズ先生は優しく微笑んだ。
「…変わりないようだな、安心した」
「え、えーと…」
「京を離れる前にこの桜を見上げていたお前は、物憂げな表情をしていたものだから気にかかっていたのだ」
「そんな顔、してましたか?」
「ああ。己がどんな表情をしているのかは、己自身が一番分からないものだ」
私にそう告げるリズ先生。
やっぱりリズ先生の言葉には説得力がある、と思う。
リズ先生は知らないんだ。
自分が時々、どれほど辛そうな表情で私を見ているのか──