あなたは私の世界の中心
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君がいればいい
君が無事ならそれでいい
全てを守ることが出来ないなら
それならせめて
君のその優しい笑みだけは
私の手で、絶対に守らせて──
《今が幸せなら》
異世界の京に来てから日課が増えた。
毎朝の花の水やり。
譲と一緒に。
元の世界にいた時には特に園芸に興味があるわけではなかった。
むしろ花の名前も全然知らなかったくらいだし。
景時さんの邸でお世話になり始めて、京での生活にも少し慣れた頃に譲に誘われたのだ。
一緒に花の世話をしませんか、と。
それは慣れない剣術の稽古に心身ともに疲弊していた私を気遣っての優しい言葉だった。
その言葉が純粋に嬉しくて、私は譲と一緒に花の水やりを始めた。
そして、今日も。
「おはようございます、奏多先輩」
「おはよう、譲」
庭に向かえば、譲は既に水やりの準備を始めていた。
この世界に来てからというもの、多少早起きが得意になったとは思う。
それでも譲は私よりも更に早起きで、私が譲より早く庭に来れたことはなかった。