何よりも優先すべきは
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でもこの世界に来て、またその実力は突き放されたに違いない。
私達がこの世界に来るまでの三年間で、将臣はとても苦労したみたいだから。
それにサバイバルの技術力で将臣に勝ったって少しも嬉しくないし。
「もうすぐ昼前か…朝早くに邸を出たから、帰るのがあんまり遅いと、心配かけちゃうよな」
私はぶつぶつと呟きながら、目的の笹を探す。
簡単に見つかるとばかり思っていたけれど、現実はそんなに甘くない。
こんなことなら、市で売ってる笹を大人しく買ったら良かったかな。
ちょっと値が張るけど、一年に一度しかない行事なんだし。
今からでも引き返そうか、と悩み始めた時、私の後方にふわりと風が発生した。
勿論神経を研ぎ澄ましていなければ、自然の風と勘違いしてしまいそうな風だ。
「……っ!」
私は反射的に短刀を構える。
いつの間にか身に付いてしまった癖のようなものだ。
低く構えた姿勢の上から静かな声が降ってくる。
「剣を収めなさい、奏多」