何よりも優先すべきは
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「す、すまない。一体何をしているんだ、私は」
少し頬を染めながら、リズ先生は戸惑ったように私の腕を解放する。
まるで敦盛君を彷彿とさせるリズ先生の言葉と態度に、私は思わず頬を緩める。
いつものリズ先生とはまた違った一面を見る事が出来て、正直嬉しい。
「ふふ、大丈夫ですよ。心配しなくても、すぐに戻ってきますから」
私は服の袖でリズ先生の額に滲む汗を拭ってやりながら微笑む。
そうなのだ。
誰だって体調の悪い時には不安になるものだ。
いつもなら平気な筈の一人の部屋が、どうしようもなく怖くなったり。
明かりの灯らない部屋の闇に押しつぶされてしまいそうになったり。
それはリズ先生だって一緒なのだ。
「…すまない」
今日のリズ先生は私に謝ってばかりだな。
なんて。
そんな事を考えながら、私は寝室のドアをぱたん、と静かに閉めた。
貴方が発する
ほんの小さなシグナル
他の誰が気付かなくても
私は一番に気付きたいんだ──
《終》