何よりも優先すべきは
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私は熱いリズ先生の手を引いて寝室へ向かう。
そしてリズ先生にベッドに横になるように促す。
「奏多…私は…」
「平気って言ったって信じませんからね。リズ先生、私には優しいけど自分の時は無茶ばっかりするから」
「……」
「体調が良くない時くらいは、素直に私の言う事聞いて下さいね」
私はリズ先生の肩を押して、問答無用でベッドに寝かせる。
その後こつん、と額を寄せて温度を計る。
勿論手を握っただけで熱があるのは分かっている。
…ちょっと憧れてたんだよ。
この熱の計り方。
私に言われた事で熱がある事を自覚したのか、リズ先生は少し潤んだ気怠げな瞳で私を見上げてくる。
きっと今急激にだるさが押し寄せてきたに違いない。
人間気を張ってる時は多少熱があっても気付かないものだし。
「やっぱり…すごい熱ですよ。私氷枕作ってきますね」
私はキッチンへ向かおうと踵を返す。
しかし歩き出そうとしたその時、勢い良く腕を掴まれた。
振り返れば、私の腕を掴んでいるのは当たり前だがリズ先生な訳で。
いつものリズ先生からは考えられない行動に、私は思わず戸惑ってしまう。
だけど、それに驚いたのは私だけではなかったようで。
行動を起こした張本人であるリズ先生も目を丸くしていた。