何よりも優先すべきは
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私はふいに手を伸ばして、テーブルの向かい側に座るリズ先生に手を伸ばした。
テーブルの上に置かれた手に、そっと自分の手を重ねる。
そして漸く気付く。
違和感は間違いではなかったのだと理解する。
元々体温の低い私よりも、更に体温の低いリズ先生の手。
──リズ先生の手は私が暖めてあげます!!
よくそんな風に冗談混じりに言っていたのだけれど。
今は、そんな事言えない。
私よりもずっと高い体温。
温かいと言うよりも寧ろ熱い。
「リズ先生!!熱、あるじゃないですか!!」
私の動揺しまくった声を聞いても、いつも通りリズ先生は少しも慌てた様子を見せない。
それどころか逆に私の方が諭されてしまった。
「奏多、慌てなくても大丈夫だ。心配はいらない」
「慌てないでいられる訳がないじゃないですか!!ベッドに行きますよ、ベッド!!」
ダイニングテーブルの椅子から立ち上がった私は、回り込んでリズ先生に近寄る。
そしてそっと腕を回し、リズ先生を立ち上がらせた。
今元気だからって油断していてはいけないのだ。
私はその事を誰よりも理解しているつもりだ。