あなたは私の世界の中心
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
玄関のチャイムが鳴って、俺は玄関に出る。
この時間に家に来るのは春日先輩と遙先輩しかいない。
俺は大した警戒心もなく扉を開けた。
「おはよー、譲」
そう言って片手を上げるのは遙先輩だ。
だが見回してみても其処にいるのは遙先輩だけだ。
春日先輩の姿は何処にもない。
「おはようございます。春日先輩はどうしたんですか?」
「んー?望美は“遅れるから先に行っといてー”だって」
俺の問い掛けに対して、遙先輩は春日先輩の物真似混じりで答えた。
…似ている、とはお世辞にも言えないような真似であったから、俺は敢えてそこには触れない事にした。
低血圧、とまではいかないし、兄さんよりも寝起きはいいが、遙先輩も朝には弱い。
何か言ったら機嫌を損ねる可能性は大いに在る。
俺は門を開け、遙先輩を家に招き入れる。
「あれ?まだ仕度終わってないの?」
「あとお弁当を包むだけなんでもう少し待って下さい」
「うん、りょーかーい」
まだ少しトロン、とした眼差しで、遙先輩は敬礼をした。
「将臣はー?まだ寝てるの?」
「はい。まだ起きてきてないですね」
「嘘!?起こさなくていいの!?将臣、遅刻しちゃうよ?」
遙先輩は焦って声を上げるけれど、俺は気にしなかった。
兄さんが遅刻しようとしまいと俺には関係がない。
目覚ましはちゃんとセットしてやったんだから。