あなたは私の世界の中心
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あなたは名字で呼ばれることをひどく嫌がった。
名字で呼んでも名前で呼んでも。
あなたの名前はひどく綺麗なのに。
だから俺はまだあなたを呼ぶんだ。
もう一人の先輩と違って。
名前で。
昔と変わらぬまま。
奏多先輩、と。
《昔のままで》
俺は無事に中学に入学した。
勿論兄さん達と同じ中学だ。
まぁ、中学は進まざるを得ない。
区域ごとに進学する学校を決められているからだ。
家が隣の春日先輩と遙先輩も当然のように同じ中学だ。
四人いる幼馴染みの中で俺一人だけが年下であるから、一年遅れての入学だった。
やっと。
やっと四月になったんだ。
遙先輩たちと同じ学校に通える。
もう三人を見送る、なんて悲しい思いはしなくてもいいんだ。
俺は自分と兄さんの弁当を作りながらこれから始まる中学生活に思いを馳せた。