優しすぎた世界
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私たちの願いは、遙かなる時空を越えた。
私たちの願いはそれほどに強いものだったから。
私たちはもうこれ以上を望んだりはしない。
だってずっと欲しかったものはもうこの手の中にあるのだから。
八葉はこの地へ。
私たち龍神の神子を守り続けるために。
「神子殿……」
聞きなれていた声のはずなのに、今はとても懐かしく感じるあの人の声。
心の奥底に響く、低くて落ち着いた声。
私が初めて聞いた時にお兄ちゃんと間違えてしまった声。
「頼久さん!!」
私は思わず駆け出して、頼久さんの鍛え上げられた身体を抱きしめる。
天真くんが呆れたように溜息を漏らしていたけれど、私はそんなことまるでお構いなしだ。
私にとって頼久さんはお兄ちゃんと同じくらい大切な存在だから。
頼久さんは驚きのあまりに声すら出せないようだった。
そういえば向こうの世界でも、頼久さんは私の接し方にいつも戸惑っていたっけ。
私たちの世界では普通の事であったとしても、忠義を重んじてきた頼久さんには少し刺激が強すぎるのかもしれない。