優しすぎた世界
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蘭が言っているのは友雅さんの事だ。
天真くんは何度も蘭を説得しようとしていたみたいだったけれど、最後には蘭の思いの強さに諦めていたみたいだった。
それにあんなに女の人関係が絶えなかった友雅さんなのに、蘭の真剣な思いを知ってからは、彼もその思いを正面から受け容れて蘭の事を大切にしてくれていた。
私は友雅さんに直接聞いたから。
彼の本心は知っているから。
“蘭殿は私の桃源郷に輝く月なんだよ──”
そう言ってくれた友雅さんの瞳の力強さを私は今も忘れていない。
それに蘭の手を最後に掴もうとした時の友雅さんの表情を私は見ていたから。
「じゃあ天真くん、詩紋くん。ちょっと離れていてね」
私は蘭とあかねの手を取った。
すごく時間が流れたような気がするけれど、実際にはまだ2時間も時間は流れていない。
向こうの世界ではどれくらいの時間が流れているのかは分からないけれど。
それでも私達の願いは変わらないから。
私は空気に思いを練りこませる。
私の身体が総てに解けてゆくさまを思い描く。
「選択を司る白龍よ。再生を司る黒龍よ。調和を司る応龍よ」
「私達の願いを聞き、私達の前に」
「再びその姿を現せ!!三龍召喚!!」