優しすぎた世界
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私は事の次第を二人に説明した。
二人は驚いていたようだったけれど、同時に喜んでもいた。
だって大切な人にもう一度会えるかもしれないチャンスが出来たのだから。
ここで私はふと思った。
あかねと詩紋くんの願いは会いたい人こそ異なってはいるが、同じものだ。
京にいるあの人に会いたい。
もしも、応龍が願いを叶えてくれたら、あかね達は私たちの世界から居なくなってしまうんじゃないかと不安になった。
イノリくんや鷹通さんがこちらの世界で生きる事を選んでくれたなら私たちはずっと一緒にいられるけれど、もしも彼らがあかね達を京に連れて行くことを望んだら、二人はきっと行ってしまうような気がした。
同じ世界に生きていたい気持ちは痛いくらい分かるから。
でも私はその不安を決して口にはしなかった。
私がこの不安を口にしたら、きっとあかねや詩紋くんは躊躇って本当の自分の願いを口に出来ないかもしれないから。
「願いが叶うかも知れないのに、あなたはどうしてそんな悲しそうな顔をしているの?」
澄んだ綺麗な声が後ろから聞こえてきた。
私は慌ててそちらを振り返る。
その声の主を私はよく知っていたから。