優しすぎた世界
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『貴女達の願いが決まったのなら、私達に祈りを捧げなさい。貴女達の願いが時空を越え、私達に届いたならその時、貴女達の願いを叶えましょう』
そう言い残すと応龍の気配は完全になくなった。
私は晴れ渡る空を見上げた。
もう一度私は神子になる。
私達の願いを叶えるために。
「樹」
天真くんが短く私の名を呼んだ。
私は天真くんに名前を呼ばれるのが大好きだった。
だって、名前を呼ばれる分だけ天真くんを近くに感じられるから。
「どうするんだ」
あくまでも天真くんは私の意志を尊重してくれる。
私は拙い頭で一生懸命考えて決断を下した。
迷っている時間は今の私たちにはあまりにも惜しいから。
「まずかあかねと詩紋くんを見つけてこのことを話す。そして二人に決めてもらうよ、これからどうするのか。…蘭を探すのはその後になっちゃうんだけど、いい?」
「構わない。お前がやりたいようにやればいい。お前の考えはいつだって正しかったんだからな。蘭ももう子供じゃないんだ。自分で考えて行動に移してるだろ。なんたって俺の妹なんだからな」
天真くんは嬉しそうにそう言った。
照れて話してはくれなかったけれど、蘭が見つかって天真くんは本当に嬉しかったんだと思う。
だってずっと探していた大切な妹なんだもんね。
天真くんは私に蘭の姿を重ねるほどに蘭の事大切に思ってたんだから。
「じゃあまずはあかねから探しに行こうか。詩紋くんは多分家にいると思うけどあかねは落ち込んでる時何処に行くか分からないから」
こうして私と天真くんの、あかねと詩紋君探しは始まった。