優しすぎた世界
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この言葉に私は思わず天真くんを見つめた。
こんなことがあるなんて思ってもしなかった。
「天真くんっ!!蘭を、蘭を今ここに連れて来てもらおう?」
私は勢いよくそう言った。
私も蘭の事はとても好き。
だから兄妹は離れていてはいけないと思うんだ。
「馬鹿だな、お前は。応龍はお前達の願いを叶えるって言ってるのに、俺の願いを叶えてどうするんだよ」
笑いながら天真くんは言った。
「でも、天真くんの願いでもあるんでしょ?なら叶えようよ」
「ちょっと待てよ。お前、応龍は「あなた達」と言っていた。それがどういう意味か分かるか?」
「?」
「樹とあかねと蘭。お前達三人の願いを叶えるって言ってるんだぜ?それをお前一人で決めてどうするんだよ。あかねや蘭にもちゃんと意見を聞いてやれ」
「あ…そうだね。やっぱり天真くんって偉いや」
素直に感心する私に天真くんは呆れているようだった。
私ってあんまり頭の回転良くないからな。
それなら私は早く蘭を探さなければならない。
あかねや詩紋くんの悲しい顔はいつまでも見ていたくはないから。
私は頼久さんからもらった髪飾りをもう一度握り締めた。
私の大切な京の思い出。
私のもう一人のお兄ちゃん。
その人からもらったものが私と京をもう一度繋ごうとしている。