優しすぎた世界
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
授業なんてだるくてやってられない。
今はそれどころじゃなかったから。
でも、何をどうしたらいいのかさえ分からなくて。
俺は、人気のない屋上で座り込んで、灰色のどんよりとした雲に覆われた空を見上げていた。
きっと此処には誰も来ないだろうと思っていた。
此処には何も無いし、時折不良達の溜まり場と化していたから。
特に女子なんかは怖がって近づこうとはしなかった。
意外だったから気になった、っていうのもあるかも知れない。
まあ、今となっては、そんなことさえあとから付け足した言い訳みたいなものに過ぎないのかも知れないけれど。
《雨の歌姫》
とにかく俺はその日初めて樹に出逢った。
欲を出すなら、もっと空の晴れた綺麗な日に逢いたかったって所だけどな。
俺たちの間にそんなものを求めてはいけないのかもしれない。
でも、俺はそれで充分なんだぜ?
なんて言ったって、お前に会えたんだからな。
それ以上のものなんて必要ないだろ?
お前がどう思っているのかも知らない、分からないけれど少なくとも俺はそう思ってるぜ。
“歌いたかったの──”
“ただ…それだけ”