神と人の綾なす物語
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「えっと…その、」
「?」
「風早先生の所には行きません」
私の唇はさらりとその言葉を口にした。
驚く程あっさりと。
心の中ではまだはっきりと整理出来ていなかったというのに。
自分でも驚きだった。
でもきっとそれが私の真実。
忍人さんの側にいたい──
そう心が訴えるから。
だから、私はそれに従う。
剣術のように磨き上げられて研ぎ澄まされるものではなく、私の裡に初めからあったもの。
女の、勘。
理屈じゃなくて、直感なんだ。
「えーと…その、もっと忍人さんとお話したいなぁ…と思うのですが…」
自分の胸の内を正直に明かすのは、とても恥ずかしく思えて。
それを隠そうとすればする程にしどろもどろになる。
私が隠し事をしようとしている事など、忍人さんにはお見通しのようで。
慌てまくる私を見て、忍人さんはまた笑った。
「君は本当におかしな奴だな」
「…よく言われます」
「まぁ、たまにはいいかも知れないな。君と武術以外の話をするというのも」
「はい!!」
私はまだ大切な人を護れない
ただがむしゃらに走っても
きっと誰かを失うだけ
それなら、今は
貴方を知って
貴方を好きになって
貴方を全てから護りきりたい──
《終》
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