神と人の綾なす物語
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「今日の鍛錬はこれで終わりにしよう。集中出来ないまま続けても、君が怪我をするだけだ」
「はい…すみません……」
私は忍人さんの言葉に頭を垂れる。
本当に自分が情けなくて仕方がない。
これが練習でなく、実戦であったなら、私は確実に死んでいた。
戦いの中で一瞬の気の迷いや、油断は大きな命取りとなる。
そんな事、知りたくもなかったけど、この世界に居る内に知ってしまった。
「気になるのならば、行けばいい。この時間なら風早は自室に居る筈だ」
忍人さんはそう言うと、くるりと踵を返した。
早く行け、彼は無言の背中で私にそう告げる。
でも、私の足はその場に縫い付けられてしまったかのように動かなかった。
どうしてだろう。
頭では確かに風早先生の事を考えていた。
だけど今、風早先生に逢いたい気持ちよりも、忍人さんの側を離れたくない気持ちの方が勝っていた。
「…どうした?」
なかなか動き出さない私を訝しく思ったのか、忍人さんはゆっくりと振り返る。
濃紺の髪が、ふわりと揺れて。
私はつい目が離せなくなる。