神と人の綾なす物語
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
もしもこの場に忍人さんと私だけでなかったら、きっとその声は掻き消されてしまっていただろう。
それ程に小さな声だった。
「羨ましい?私が、ですか?」
「…いや、正確には風早が、と言うべきか」
私が問い返せば、忍人さんにしては珍しく、歯切れの悪い返答が返された。
私が言葉の真意を理解出来ずに首を傾げれば、忍人さんは更に続けた。
「君のような人に想われて、あの男も幸せだろう。あいつには勿体無いくらいだ」
「………」
忍人さんの言葉に、私は先の言葉が紡げない。
私は風早先生が大好きだ。
彼が居たから、私を救ってくれたから今の私がある。
そう言っても過言ではない。
でも、忍人さんの言葉が、まるでナイフみたいに私の心に突き刺さる。
忍人さんの悲しげな表情に、胸が締め付けられる。
この感情は一体何?
私の胸を満たす、この靄がかかったような不可解な感情は。