神と人の綾なす物語
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それでも私は知っている。
忍人さんは千尋ちゃんが思っている程、怖い人ではないという事。
寧ろ中つ国の為に命を懸け、何かを必死に繋ぎ止めようとしている。
忍人さんの優しさは分かりにくいけど、でも確かにちゃんとあるんだ。
風早先生は、私を救ってくれた。
あの世界で自暴自棄になっていた私を。
それはもうはっきりとした、大きな優しさで。
だから私は風早先生を護りたい。
風早先生が守りたい、千尋ちゃんを守りたい。
動機が不純だな──
私が剣術を指南して欲しいと申し出た時、忍人さんは開口一番にそう言った。
確かに、自分でもその通りだと思った。
でも、あの頃の自分はそんな事しか思い付けなかった。
そんな私に、忍人さんは剣術を、基本的な兵法を教えてくれた。
足手纏いになられても迷惑だ。
だから、私を強くしてくれた。
せめて自分の身くらいは守れるように、と。
まだ、風早先生や布都彦くんや、勿論忍人さんに並んで戦う事は出来ない。
それでも、私でも誰かを守れるようになった。
そしていつかきっと、大切な人を守れるようにきっとなるんだ。
「羨ましいな」
ぽつり、と忍人さんが呟いた。
小さな小さな声で。