神と人の綾なす物語
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でもだからといって、時間は、運命は私に甘える事を許してはくれない。
私も戦わなければならなくなってしまったし、沢山傷付いた。
初めは元の世界に帰る為だけにがむしゃらに戦っていた。
でも、今は違う。
今は大好きな人を守る為に。
大切な人が傷付かないように。
私の大好きなあの人の笑顔が曇らぬように。
嘘で彩られてしまわないように。
「紗綾?」
呼ばれて私ははっと我に返る。
いつの間にか意識を違う所へ飛ばしてしまっていた。
今は葛城将軍──忍人さんに剣術の稽古をつけてもらっている所だったのに。
「すみません!!」
私は勢い良く直角に頭を下げる。
私から指導を頼んでおきながら、心此処にあらずなんて最低だ。
忍人さんにお叱りを受けても仕方がない。
私が頭を下げたままでいると、剣を鞘に収める音がした。
きっと呆れているんだろう。
彼は本当に真面目な人だから。
その武に劣らぬ、強い心の持ち主だから。
「顔を上げろ」
短く言われて、私は恐る恐る顔を上げる。
忍人さんを見上げれば、その表情は私が予想していたものとは違っていて。
優しい苦笑い、だった。
「君は本当に正直だな──」