神と人の綾なす物語
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すると紗綾は青ざめた表情を何とか打ち消して、何を思ったのか、突然その花を僕の方に向かって差し出した。
桃色の花は何とか難を逃れたようで、先程迄と変わらぬ姿で紗綾の手の中にあった。
「那岐くんに、あげようと思って」
「は?」
「だから、那岐くんに。あ、そっか、男の子って花貰っても嬉しくないか…」
紗綾は少し俯いて、差し出した手を引こうとする。
僕は慌てて、紗綾の手ごとその花を掴んだ。
嬉しいか嬉しくないかと聞かれれば正直分からない。
花なんて贈られた事、今までに無かったし。
でも紗綾から貰えるなら、何だって嬉しい、と思う。
それはきっと、僕が紗綾に淡い恋心を抱いているからだろう。
勿論そんな事、紗綾にはまだ言えないけど。
「嬉しくない訳じゃない。まさか僕宛てだとは思わなかったから……」
それだけを告げると、紗綾は満面の笑みと共に僕の手に花を握らせた。
満足そうな表情で紗綾は僕を見上げて言った。
「那岐くん、お誕生日、おめでとう!!」