神と人の綾なす物語
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「あ!!なんだ、っていうのは悪い意味じゃないの。寧ろ那岐くんで良かったって意味なの」
「……?」
「その…みんなに内緒で出てきちゃったから、忍人さんや風早さん辺りに見つかったら、怒られちゃうと思って」
立ち上がりながらそう言う紗綾の体がぐらり、と傾いて花畑の方へ倒れ込みそうになる。
僕は咄嗟に紗綾の腕を引いて、此方へ引き寄せる。
突然強い力で引っ張られた椎奈は必然的にバランスを崩し、僕の方へ寄りかかるような形になる。
ふわり、と甘い香りが鼻孔を擽って椎奈が改めて普通の女の子なんだと自覚する。
僕の腕の中にすっぽりと収まった紗綾は、自分の置かれている状況がいまいち分かっていないようだった。
暫し僕の顔を凝視していたかと思うと、突然顔を赤くした。
かと思えば今度は顔を青ざめて、僕の体を細い二本の腕で押し返してきた。
「あっ…、ご、ごめんね。ずっとしゃがんでたから、立ち眩みしちゃって」
「……ま、怪我がないなら良かった。それより、こんな所で何してたわけ?」
紗綾がぺこりと頭を下げるのを視界の片隅に捉えながら、僕はさも興味なさそうな口調でそう言った。