神と人の綾なす物語
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夢のように現れた君は
いつか泡のように
消えてしまうのではないか、と
僕は気が気でないんだ
ただ、君がいるだけで
僕はこんなにも幸せなのに──
《真っ白な想い》
「……紗綾」
名前を呼べば、小柄な少女は一瞬びくり、と肩を震わせてからゆっくりと振り返った。
今にも泣き出しそうな瞳が、僕を見上げてきた。
高千穂にある小さな村の片隅にひっそりと広がる花畑。
花の名前なんて興味ないから知らない。
だってどうでもいいし。
その花畑の前で、紗綾は屈み込んで、桃色の花を摘んでいた。
小さな花弁の集まりなのだが、一束で纏めてみると一輪の花のようにも見える不思議な花だった。
「なんだ…那岐くんか」
紗綾は僕の姿を認めるなり、何とも失礼な言葉を吐き出した。
なんだ、って何だよ。
僕があからさまに不機嫌そうな顔をすると、椎奈は慌てて取り繕った。