神と人の綾なす物語
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「風早さんにおめでとうを言いたくて、ただそれだけで私、此処まで来てしまったんです。言うだけで満足しちゃって…ごめんなさい、プレゼントも何も用意してないんです…!!」
千尋に風早さんの誕生日が今日だと聞いて。
遠夜に風早さんが此処にいると聞いて。
早く、伝えなくちゃ──
それだけで、私の頭はいっぱいになってしまった。
その事だけに頭の中を支配されてしまった。
年にたった一度の日なのに。
あなたがこの世界に生まれてきてくれた、感謝するべき日なのに。
してあげたい事、今なら沢山思い浮かぶのに。
どうして私は今、大好き風早さんの前で涙を堪えているのだろう。
「そんな事を気にして、君は今泣きそうになっているのですか?」
「だ、だって……!!」
風早さんはにっこりと微笑むと、私の頭を撫でた。
お父さんかお兄ちゃんがするみたいに。
風早さんはそうして私を時々子供扱いする。
私はもう、子供じゃないのに。
風早さんの恋人、なのに──