神と人の綾なす物語
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考えなしに行動するのは、私の悪い癖だ。
それは自分でもよく分かっているつもりだ。
でも、突発的な事にはまだ対応仕切れないのが悲しい。
あぁ、何だか泣きたくなってきた──
「どうかしましたか?」
突然表情を曇らせた私を心配して、風早さんは側に寄ってきてくれる。
でも、今の私にはその優しさが苦しい。
「風早さん…ごめんなさい。私、風早さんのお誕生日を知らなくて、さっき千尋ちゃんに聞いて、とにかくおめでとうって伝えたくて…それで、それで……」
いっぱいいっぱいな私を見下ろして、風早さんは優しく笑った。
珍しい黄金色の瞳が、優しい色に染め上げられる。
そんな瞳で見つめられるのが気恥ずかしくて、ちらりと視線を外すと、ついさっきまでケーキを作っていたはずのカリガネさんは、いつの間にか居なくなってしまっていた。
一体いつの間に移動していたんだろうか。
全く気付かなかった。
「紗綾、落ち着いて下さい。俺はいなくなったりしないですから」
柔らかく諭されて、私は一度深呼吸をした。
風早さんの言うとおりだ。
慌てる必要は何処にもないし、寧ろ冷静に自分の過ちを伝えて謝るべきだ。