神と人の綾なす物語
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私は千尋ちゃんの横から立ち上がり、彼女を見下ろした。
千尋ちゃんは小首を傾げながら私を見上げてくる。
「千尋ちゃん、教えてくれてありがとう。私、風早さんの所に行ってくる」
「うん。行ってらっしゃい」
千尋ちゃんに見送られて、私は天鳥船の廊下に飛び出した。
それほど広くはない廊下で、私はきょろきょろとしながら風早の姿を探す。
この時間帯、風早さんは一体何処にいるのだろう。
そんな事でさえ私は知らない。
同じ空間にいるのに。
私は何だか急に風早さんを遠い存在に感じて、盛大に溜め息を漏らす。
側にいるつもりになっていたけれど、実際の所は全然そんな事はなかったのだ。
改めてその事実を突きつけられて、泣きたくなる。
『……?紗綾、どうかしたのか?』
頭上から声が降ってくる。
いや、実際に声はしていないのか。
頭の中に、声が直接語りかけてくる。
そんな事が出来るのは…
「遠夜!!あ、うん。ちょっと風早を探してるんだ。風早、今日がお誕生日なんだって。だからおめでとうって言いたくて」
私が答えると、遠夜はふわりと微笑んだ。