神と人の綾なす物語
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鳴り止んだ歌声。
訪れる静寂。
何か話さなければ。
そう思った時、紗綾がぽつり、と呟いた。
「今の歌、向こうの世界で覚えたんだ。豊葦原にはない、“英語”っていう言葉を用いた歌」
紗綾は瞳を細め、懐かしそうな表情を浮かべる。
五年という月日は、良くも悪くも彼女を丸くした。
忍人は、こんなにも女性らしい顔をする紗綾を知らない。
知るのは、風早、ニノ姫、そして那岐だけだ。
忍人が眉根を寄せていると、紗綾は困った様子でまた歌を紡ぐ。
それは豊葦原には存在しない言の葉。
彼女と一部の者しか理解出来ぬ夢幻の唄。
耳を傾けていると、言葉の意味こそ理解出来ないが、その旋律は自然と体に溶け込んできた。
寧ろ心地良いとさえ感じる。
それはきっと自分が“唄”ではなく、“奏者”に惹かれているから──