神と人の綾なす物語
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そっと手を伸ばし、俺の躯を支える紗綾の頬に触れる。
涙のせいでひんやり冷たい頬は、まるで人形のようだと思う。
白磁の肌は、きめ細やかで美しいから。
ゆっくりと、文字を並べ上げる。
本当に、これが最後。
「紗綾…君を、縛り…つけたい、訳じゃ…ない。それでも…俺、は……君だけを──愛して、いる───」
その瞬間。
紗綾の双眸から、涙が零れ落ちた。
ただ、それでも彼女は。
最期の最後まで、俺の望みを叶えてくれた。
「……、────」
瞼の裏に焼き付く、心からの、穏やかな笑み。
迷いのない、誓い。
そして。
背景は、二人で見ようと約束した、鮮やかな桜色。
それが、俺の、最期──
私も、君だけを
“愛している”
そしてこれからも
“愛して逝く”
君との二度目のさよならは
色褪せる事のない桜色──
《終》