神と人の綾なす物語
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“必ず、帰ってくるから”
風早と共に、異世界へ逃れるという事実を、紗綾は俺にだけひっそりと伝えてくれた。
それは既に彼女が異世界へと渡った後ではあったが、夢を繋いでまで伝えに来てくれたという事が、何よりも嬉しかったのを今でも鮮明に覚えている。
力強く、澱みない瞳でそう告げた彼女。
いつ戻るとも知れない愛しい人を、ずっと待ち続ける事が出来たのはきっと。
彼女との約束があったから──
見えないその存在が、どれ程俺の支えになっていたか。
あの頃には分からなかったけれど。
今ならはっきりと分かる。
「嘘吐きは、嫌いよ」
「すまない」
「なのに、どうして──」
“君を、嫌いになれないの”
悲壮感に満ち満ちた言葉。
それは彼女の“これから”を如実に現しているようで。
苦しくて堪らなくなる。
こうしている間にも、自分の体から熱が奪われていくのが分かる。
指先の感覚が徐々に薄れていく。
自分の“終わり”を感じずにはいられない。
その前に。
ただ、その前に。
君に伝えたい──