神と人の綾なす物語
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ひどく満ち足りた気分で
何か失った心持ちで
今以上に穏やかな感情を
俺は知らない
願わくば
君がこれからを
絶望せずに生きられますように──
《さよならの色彩》
“いつか二人で、花見でもしよう”
彼女──紗綾がいつの日か、そう言った。
俺も紗綾も、別段桜が好きだったという訳ではない。
だが、紗綾は突然そんな話を切り出した。
理由は、知らない。
彼女は尋ねてもはぐらかすだけだった。
それでも彼女が見せた哀しげな表情に、俺は首を縦に振らざるをえなかった。
俺に選択肢は与えられてはいなかったのだ。
“君と二人で桜を見たい──それ以上の理由が必要?”
人をくったような笑みを浮かべ、紗綾はそう言った。
でも、俺の目は誤魔化せない。
彼女の瞳は、口程に物を言うから──