神と人の綾なす物語
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「那岐、何処へ行くの?怪我してるのは、キミなんだよ」
拒否を許さぬ強い口調。
そんな風に言われたら、どう足掻いても逆らえない。
放っておいてよ。
そう告げることが出来ない。
千尋や風早や、他の奴らが同じことを言ったとしたら、簡単に突っぱねることが出来るのに。
それはもう、何の躊躇いもなく。
実行することが出来ないのは。
きっと、僕が紗綾に特別な感情を抱いているから。
未だ告げられぬ想いを、心の中に抑えつけているから──
「大丈夫だって何度も言ってるじゃないか。紗綾は心配し過ぎなんだよ」
僕が吐き捨てる冷たい言葉にも、紗綾がめげることはない。
打たれ強いっていうか、些細なことは気にしないというか。
紗綾は僕の言葉を全く気に留めた様子もなく、それどころか僕にずかずかと近寄るなり腕を掴み、風早の前にずいっと突き出した。
風早の前に立たされた僕は、反射的に長身の彼を見上げる。
すると、風早の黄金色の瞳は困ったように揺らいでいた。