異世界の神器

初めまして、この本丸で審神者を勤めております、審神者名〈日和〉と申します。
現在、我が家の刀剣は44口。
一時期は三日月難民、鶯丸難民を為ておりました。が、皆に励まされ、突然乱入検非違使達にもめげす、カンスト10口になりました。私、頑張ったよ。頑張ってるよ。
そんなある日、本日のノルマの鍛刀をしましたら、目を疑う時間が__。
それはね、もしもだけど、まだ見ぬ刀剣男士でも出て来たらな、とは思ったよ。でも、実際問題、有るわけ無いよね。政府だって見つけていないのに、こんな数多の本丸の一つしかない私の所に来るわけ無いよねぇ~と、まあ、希望的観測で思っただけだったのに……。





40:00:00




………………………………………………………ハア?!
40時間って何?!
何コレ何コレ何コレーッ!?
「ウソー!!!!????!!!」
本丸全体を揺るがす叫び声を上げてしまった私。その声に、例え畑仕事中の和泉守が驚きの余りバランスを崩し、顔面を土に埋めてしまったとしても。お茶を飲んでほのぼの会話をしてた三日月と鶯丸が、前を通った今剣と前田に口からお茶をぶちまけたとしても。庭で鍛錬中の同田貫の木刀がすっぽ抜け、一緒に鍛錬していた御手杵に突き刺さったとしても。洗濯物を干していた燭台切が、山姥切の洗濯物を引き裂いてしまったとしても。鶴丸がバランスを崩して木の枝から落ち、大倶利伽羅の上に落ちたとしても、私は悪くないです。ええ、血相を変えて扉を破壊して飛び込んで来た長谷部とこんのすけを見ても、私は悪くないですと言い張りましょう。









「確かに時間が、凄くあり得ない数字ですね……」
「だよねだよねだよね。叫びたくなるよね」
「そうですね……」
長谷部とこんのすけは呆然と時間を見ている。あり得ない数字は、最高4:00:00の遥か十倍の時間を示していたからだ。
鍛刀でこの時間はあり得ない。
何かできるの?
何が出来上がるの?
式神さん、教えてプリーズ!!
「えっと…、試しに、手伝い札を使いますか?」
こんのすけから差し出された手伝い札を受け取り、とりあえず使う。





35:43:31





四時間しか短縮にならないし?!
ガクンと崩れ落ちる私は、長谷部に支えられる。
ストックはある。ストックはある。しかし一気に十枚使えってか?!
いや、勿体ない勿体ない勿体ない勿体ない、でも気になる気になる気になる気になる気になる~~~~~!!!!
どうする、ア○フル?
て、何でア○フルなの?!
一人でボケとツッコミを披露(脳内で)し、頭に湯気が立ち上る。その頃には、他の刀剣男士達も集まってきていた。
「如何したのですか、ぬし様?!」
「大丈夫か、大将!?」
「何て雅じゃない叫び声だい、主!?」
叫び声に雅なんてあるのか!?
思わずツッコミを叫んでしまった。
それも、動作付きで。
初期刀歌仙兼定と、初鍛刀薬研藤四郎、初ドロップへし切り長谷部の3口はカンストしているし、付き合いも初期の頃からだから遠慮は無い。子狐丸は中頃で来てくれて、もう直ぐLV.90になる。って、そんな事どうでも良い。目下、問題はアレだ!!
「……………とにかく、気持ちが追いつかないなら、出来上がるまで待った方が良いんじゃないかい?」
「何が起こるか判んねぇしな?」
「……………………ぬし様はどの様にお考えですか?」
私か?
私は……。
「多分、まだ見ぬ刀剣男士だと思うの。だから、気持ち的には直ぐ会いたいんだけど、心の準備も欲しい。だから、待つよ」
「では、そう致しましょう。呼び起こすその時は、俺も傍にいましょう。それと、何口か傍に居れば、御身を御守り出来ますから」
近侍の長谷部の言葉に頷く。
「そうね。その方が心強いわ。じゃあ、歌仙、薬研、子狐丸、それから後二名に頼む事にするわ」
そうして、私は待つ事にした。
その後、石切丸と燭台切光忠(同じくカンスト済)に声を掛けて、迎えた36時間後__。







大鎌が出来ておりました。






へえっ?!





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