異世界から審神者達がやって来ました

刀剣男士達42名は全員広間に篭城しているとの事。
こんのすけの案内でそこまで行く道すがら周囲を見渡すと、荒れ放題だわ血が飛び散っているわで、男審神者Bの下僕(しもべ)の【ダーク・エンパイア】は、その秀麗な顔をしかめる(但し絵になる)。
「手入れが必要ですね」
「それは後でな」
彼の呟きに、男審神者Bは小さく呟く。女審神者Bも余りいい顔をしてないが、肩に乗っている【ビースト】が、頬に躯を擦り付けて慰めていた。
そして、広間に到着する。扉の向こうから、まあ凄い殺気がビンビンと。


“襖を開けたら殺る”


そんな気配がバッチリしっかり。
それを無視して女審神者Aが、清々しい程思いっきり襖を──蹴破りました。



「なにやってんですかーっ!!」



こんのすけの叫び、ご尤も。しかし、遅い。遅かった。
彼女に向かって、刃は振り下ろされていたのだから。
「遅い」
女審神者Aは簡単に、自身の武器で刃を受け止める。それに驚くのは相手と、刀剣男士達だ。
女審神者Aは刃を押すと、相手は反動で後ろに数歩下がる。そこに蹴りをぶち込んだ。
相手――同田貫正国はぶっ飛ばされ、数名を巻き添えに床に叩きつけられる。
「あら、弱っ」
フフッと、勝ち気でありながら艶やかに笑う女審神者A。その全身を捉えた所で、刀剣男士達は殺気を漲らせる所か、真っ赤になった。
そう、彼女はイロイロ露出が激しい服装だったので。
胸の谷間がまるわかり。臍は晒し、腰の括れも強調されている。股間の部分は申し訳程度にギリギリラインで隠されているが、サイドの切り込みが腰の辺りまで入っている。膝までのブーツ、左肩には肩当て。肘から手先にかけてのグローブとそれを覆うガード。肌の露出がハンパない。
下着か水着かそりゃ!?!
本人は、動き易い一択で選んでいるし、ギルド所属の戦闘を主に担当とする女性達の間では、無難な装備であるのを、彼等は知らない。



「何か固まっちゃったんだけど~?」



「当たり前かと思いますぅぅぅっ!!」



こんのすけは、真っ赤になって固まった刀剣男士の反応は当然とばかりに叫んだのだった。





さて、仕切り直しというわけで、呑気にお茶を飲んでいる審神者達。此処からは、彼等四名を職種名で呼ばせていただきます。
竜狩人は、山姥切が頭から被っている布を差し出され、『体に巻いて下さい』と、顔を真っ赤にして顔を逸らす本人から頼まれました。
「……頼む」
「何で?」
「竜狩人様。私からもお願い申し上げます」
「え~~~~。動き難くなるから、イヤ」
「お願いします~~~っ!!」
渋る竜狩人に、こんのすけは情けない声を上げる。しかし、彼女にとっても死活問題なのだ。生死が身近にある彼女にとって、動き難い恰好は、死に関わるが故に。
そこへ、幻獣師から助け舟が。
「治療師、彼から受けとって、竜狩人に被せて上げて下さい」
「!
ちょっと!」
「まあ、戦意は削がれているようですし……。
何故竜狩人の恰好に顔を赤くするのかわかりませんが、彼等にとっては問題があるのでしょう?可哀相ですから」
「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………む~………、あ~も~、仕方ないわね」
本当に渋々といった感じで頷いた彼女。お願いです、胸の下で腕組まないで下さい。豊満な乳房がより強調されて、男士様方の目の毒です。
とまあそんなやり取りをしたのち、山姥切から布を受けとった治療師は、彼女に布を巻き付けた。動き易いように配慮しながら。因みに治療師の服装は、躯にフィットして、尚且つ身体の線がわかりやすい、首から上・手首足首から先意外を覆い、肩を晒した七分袖の厚めな生地のワンピース服。腰布で腹部を覆い、丁度右腰辺りにポシェットがベルトで固定されている。肌の露出少ないが、こちらは胸の谷間が、屈めば晒されてしまうので、やはり慌てて目線を反らした山姥切でした。
さて片側に異世界出身審神者様御一行、対面に刀剣男士様御一同。
こんのすけが間に入り、先ず刀剣男士達に彼等についての説明が始まった。





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