刀剣乱舞 クロスオーバー
久里浜との決勝戦。
田中俊彦は会場入りをするところで、とある人物を見掛けた。
白髪で、全身を真っ白に染めた、とても儚げな美青年を。その青年は自販機を見ているので、何かを買うつもりのようだ。
『アルビノ!?』
『え?あれが、アルビノっつうのか?』
周囲の人達は彼にチラチラと視線を寄越して囁きあっているが、俊彦は、パチクリと目を瞬かせて、『あ~』と呻く。もの凄く知っている人物だからだ。注目されているアルビノ(?)の美青年──鶴丸国永は、自分の事で話題になっていると気付いたのか、缶コーヒーを取り出して、たまたま俊彦達の方へと目を向けてしまう。そして、俊彦と目が合うと、満面に笑みを浮かべて手を振ってきた。そしてそのまま近づいて来るので、俊彦以外のチームメイト達は浮き足立つように騒がしくなる。
きゃあきゃあとマネージャー2人も頬を染めて鶴丸を見ている。特に神谷主将の妹である彼女など、目がハートになっていた。それ程迄に【鶴丸国永】という刀剣男士は、とても美しい刀なのだ。
「いよっ!
杜糸坊、応援に来たぞ」
ただし言動は見た目を裏切るのだが。
鶴丸の親しげな物言いに、全員が俊彦を見詰める。が、それを敢えて無視する。説明が面倒くさいというのもあるが。
「………あ~、久しぶりです。鶴丸さん」
苦笑する俊彦に、鶴丸は訝しげに俊彦を見た。
「何だ何だ?迷惑だったか?」
「其れは無いです。嬉しいですよ。
で、お一人ですか?」
「まさか。一人で来る訳ないだろう。俺は保護者枠だからな。お嬢と貞坊の、な。
後、愛染と蛍の保護者枠で明石が居るぜ。どうだ、驚いたか?」
「驚きました」
儚げな印象の青年が、悪戯が成功したかのような得意気な笑みを浮かべたのに釣られて、俊彦も笑みを浮かべてしまう。まあ、向日葵ちゃん達が応援に来てくれた事も純粋に嬉しい。
「まっ、頑張れよ、杜糸坊。
折角【勝利の女神】連れてきたんだ。負けるなよ」
「向日葵ちゃんにカッコ悪い所、これ以上見せたく無いんで、勿論、優勝狙いますよ。見ていて下さい」
「はは。その意気その意気。
──と、そろそろ戻らんと不味いか」
腕時計をチラリと見て時間を確認する。
「それじゃ、俺は戻るな。
杜糸と、アンタ等も、頑張れよ。応援してるからな」
身を翻し、最後の挨拶をしながらウィンクを決めて、駆け足で去って行く鶴丸。
そして、俊彦が質問攻めにあったのは言うまでも無い──。
観戦席に俺の刀剣男士達が見える。その隣には、鶴丸国永・太鼓鐘貞宗・明石国行・愛染国俊・蛍丸。そして──彼等の主である【向日葵】こと谷山麻衣の姿が。
「勝つよ」
【旦那】である大典太光世と、【勝利の女神】である向日葵の見てる前で、負けるつもりは無い。
誓うように呟いて、俊彦は対戦相手を睨み据えた。
オマケ
麻衣の自宅にて──。
『優勝おめでとう!!』
パーン!!
と、クラッカーが鳴らされて、杜糸はパチクリと目を瞬かせながら立ち尽くす。
ニコニコと笑う向日葵と短刀男士達の手には使用済みのクラッカーが。
呆然と立ち尽くす杜糸を正気付かせたのは、旦那である光世の手が肩を抱き寄せた時だ。
「杜糸」
「あ、……ありがとう(〃⌒ー⌒〃)ゞ」
照れくさそうに笑う杜糸。
そうして、主役を迎えた祝勝パーティーは夜遅くまで賑やかであったとさ。
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田中俊彦は会場入りをするところで、とある人物を見掛けた。
白髪で、全身を真っ白に染めた、とても儚げな美青年を。その青年は自販機を見ているので、何かを買うつもりのようだ。
『アルビノ!?』
『え?あれが、アルビノっつうのか?』
周囲の人達は彼にチラチラと視線を寄越して囁きあっているが、俊彦は、パチクリと目を瞬かせて、『あ~』と呻く。もの凄く知っている人物だからだ。注目されているアルビノ(?)の美青年──鶴丸国永は、自分の事で話題になっていると気付いたのか、缶コーヒーを取り出して、たまたま俊彦達の方へと目を向けてしまう。そして、俊彦と目が合うと、満面に笑みを浮かべて手を振ってきた。そしてそのまま近づいて来るので、俊彦以外のチームメイト達は浮き足立つように騒がしくなる。
きゃあきゃあとマネージャー2人も頬を染めて鶴丸を見ている。特に神谷主将の妹である彼女など、目がハートになっていた。それ程迄に【鶴丸国永】という刀剣男士は、とても美しい刀なのだ。
「いよっ!
杜糸坊、応援に来たぞ」
ただし言動は見た目を裏切るのだが。
鶴丸の親しげな物言いに、全員が俊彦を見詰める。が、それを敢えて無視する。説明が面倒くさいというのもあるが。
「………あ~、久しぶりです。鶴丸さん」
苦笑する俊彦に、鶴丸は訝しげに俊彦を見た。
「何だ何だ?迷惑だったか?」
「其れは無いです。嬉しいですよ。
で、お一人ですか?」
「まさか。一人で来る訳ないだろう。俺は保護者枠だからな。お嬢と貞坊の、な。
後、愛染と蛍の保護者枠で明石が居るぜ。どうだ、驚いたか?」
「驚きました」
儚げな印象の青年が、悪戯が成功したかのような得意気な笑みを浮かべたのに釣られて、俊彦も笑みを浮かべてしまう。まあ、向日葵ちゃん達が応援に来てくれた事も純粋に嬉しい。
「まっ、頑張れよ、杜糸坊。
折角【勝利の女神】連れてきたんだ。負けるなよ」
「向日葵ちゃんにカッコ悪い所、これ以上見せたく無いんで、勿論、優勝狙いますよ。見ていて下さい」
「はは。その意気その意気。
──と、そろそろ戻らんと不味いか」
腕時計をチラリと見て時間を確認する。
「それじゃ、俺は戻るな。
杜糸と、アンタ等も、頑張れよ。応援してるからな」
身を翻し、最後の挨拶をしながらウィンクを決めて、駆け足で去って行く鶴丸。
そして、俊彦が質問攻めにあったのは言うまでも無い──。
観戦席に俺の刀剣男士達が見える。その隣には、鶴丸国永・太鼓鐘貞宗・明石国行・愛染国俊・蛍丸。そして──彼等の主である【向日葵】こと谷山麻衣の姿が。
「勝つよ」
【旦那】である大典太光世と、【勝利の女神】である向日葵の見てる前で、負けるつもりは無い。
誓うように呟いて、俊彦は対戦相手を睨み据えた。
オマケ
麻衣の自宅にて──。
『優勝おめでとう!!』
パーン!!
と、クラッカーが鳴らされて、杜糸はパチクリと目を瞬かせながら立ち尽くす。
ニコニコと笑う向日葵と短刀男士達の手には使用済みのクラッカーが。
呆然と立ち尽くす杜糸を正気付かせたのは、旦那である光世の手が肩を抱き寄せた時だ。
「杜糸」
「あ、……ありがとう(〃⌒ー⌒〃)ゞ」
照れくさそうに笑う杜糸。
そうして、主役を迎えた祝勝パーティーは夜遅くまで賑やかであったとさ。
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