仮面達の夜想曲
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数週間後。
今日も仕事が終わりいつものようにアンナさんとご飯を食べている。
「サクラ最近売上いいじゃない?指名客増えてるじゃん!」
「アンナさんがお客様をご紹介してくれたおかげですよ。」
「何言ってんのよ~!指名貰えてるんだから、サクラの実力よ!」
「えへへ・・ありがとうございます!」
「んも~可愛いんだから本当にっ!」
「わっ?!」
いつものラーメン屋で頭を無邪気に撫でてくれるアンナさん。周りのお客さんや店主さんは、いつもの光景だとニコニコしている。
最近はアンナさんの言った通り、少しずつ指名を貰えるようになってきた。
もちろんアンナさんのおかげでもあるんだけど・・それだけじゃない。
『ピーピーピー』
「あ・・!」
持っているバックからポケベルが鳴る。慌てて取り出して表示されている数字を確認する。
『71410421(まだか)』
(あっ・・やばっ・・・!!)
「すみませんアンナさん!私帰らなきゃ!」
「え、もう?最近早いねぇ。」
「えぇ、まぁ・・ご馳走様でした!また!」
バタバタ慌ててお店を出る私を見ていたアンナさんはと店主さんは、急ぐ私の背中を見ながらこんな事話してるんだろうなぁ。
「・・男ね。」
「男やな。」
・・・すみませんアンナさん、ある意味男なんですけど・・そんな甘酸っぱいものではないです・・・。
慌ててボロアパートに戻って自分の部屋に入ると——その人は待っていた。
「遅いでシエル!今日やる言うたやろ!」
「ごめんなさい真島さんっ!アンナさんとご飯食べてて・・。」
「またかいな・・ホンマ仲がええのぉ。ほれ、始めるで。」
「はいっ!」
そう。あの日言ってくれた通り、体調が戻った真島さんは私の接客練習をしてくれている。毎日ではないけど時間を作ってこうして練習をしている。
グランドに入りたての時も思ってたけど・・真島さんの指導は本当に的確で分かりやすい。改善しなきゃいけないところ、伸ばしていいところ、全部細かく言ってくれる。
おかげで大分接客のコツも分かってきた・・・さすが支配人・・。
「確かに指名は増えてきとるが・・追加注文がもう少し欲しいの。そうすりゃ単価も上がって売上も仰山増えよる。・・・今日はおねだりの練習でもするかの。」
「おねだり・・ですか・・・。」
苦手なんだよなぁ~・・・お金厳しそうな人相手にそれ以上追加してくださいとは言い辛いし、かといって余裕のある人でも図々しいって思われたくないし・・・そもそも人に甘える事てなかったからどう言えばいいのかもいまいち・・。
「・・おい、現実戻ってこい。」
『コツン』
「痛っ!」
「ったく、ぼーっとすんなや。さっさと始めるで。」
いつの間にかグラスや氷を用意していた真島さんは隣に座ってくる。
その近さに・・少し心臓がドキドキする。
「ほんで?シエルは普段どないして甘えてるんや?」
「えっと・・・。」
いつもの甘え方・・・甘え方というか、なんというか・・。
「お客さん、もう一杯いかがですか?」
「・・・・・。」
「・・・。」
「・・・・・え、そんだけ?」
「・・・・・はい・・・。」
(これだけです、はい・・・。)
「・・そら追加注文貰えへんわけやな。」
「うっ・・。」
そりゃそうですよね・・・。
分かりやすく沈んでると、真島さんは大きく溜息を吐いた後にそっと私の足に手を置いてきた。驚いて真島さんに顔を向けると、目線を低くしてトロンとした目をしていた。
「俺まだ飲みたいんやけど・・一緒に飲まへん・・?」
「~~~~っ!!!」
(や・・ばい・・・!)
低く甘い声でそう呟いてくる真島さんの甘え顔が・・反則級にやばすぎるっ・・!!えっ、確かにそんな顔で言われたらイチコロだけど・・・・・。
・・・よく見たら・・真島さんってかっこいいよね・・眼帯だけどそれがまたいいというか・・やばっ・・視線・・・逸らせない・・真島さ———
「おい。」
『ゴスッ』
「痛っ!!」
チョップ・・・!!え、チョップしてきた!!
「ちょっ・・酷いですよ真島さん!」
「ボケ―っとしとるからやド阿保。ほれ、実践やで。」
「うっ・・・。」
実践って言われても・・・さっきの真島さんみたいに・・。
目線を低くして・・・上目遣いで見つめて・・手を足にそっと置いて・・・甘い声を意識して・・・。
「もっと飲みたい・・です・・・一緒に・・飲みませんか・・?」
「・・・・・。」
・・・・真島さん、何も反応してくれない・・。
だ、駄目だったかな・・うぅ・・何も言ってくれないの不安だし恥ずかしい・・!
真島さんの目を見ていられなくて視線を少し逸らすと・・真島さんはわたしの顎に指を添えて顔をくいっと上げてくる。
「えっ・・?」
「・・その目や、シエル。」
「・・っ・・!」
「そのまま・・目を見るんや。」
真剣な目で見つめ合う私達。練習のはずなのに・・真島さんはアドバイスをしないで、ただじっと目を見ていた。
「・・あ・・・。」
「・・・・。」
(・・真島さんの目・・綺麗・・・。)
本当・・片目が勿体ないくらい綺麗な目・・・。
さっきから心臓の音がうるさい。少しずつ私の頬が赤くなってくるのが分かる。顔が熱い、体が熱い。
私の顔の変化に気付いたのか、真島さんは少しだけ目を細めて顔を近づけてくる。
「・・・シエル・・。」
(・・もし、このまま・・目を閉じたら・・・真島さんは・・?)
真島さんはどうするんだろう。
私は・・その時を待つ為に目を閉じ————
「これ、戻れド阿保!」
『ドゴッ』
「痛っ!!!」
ま・・・またチョップされた!強めなチョップ!!
でも・・その真島さんのチョップで一気に現実に戻る。
「ったく・・ほれ、次やるで。」
「・・はい・・・。」
・・ちょっと残念に思っちゃうのは・・・何でなんだろう。
私は真島さんに・・キスされるのを望んでた。雰囲気にのまれてたから?その目に魅了されたから?
・・それだけじゃ、ないよね・・・だって・・。
(まだ心臓がドキドキしてる・・。)
今日も仕事が終わりいつものようにアンナさんとご飯を食べている。
「サクラ最近売上いいじゃない?指名客増えてるじゃん!」
「アンナさんがお客様をご紹介してくれたおかげですよ。」
「何言ってんのよ~!指名貰えてるんだから、サクラの実力よ!」
「えへへ・・ありがとうございます!」
「んも~可愛いんだから本当にっ!」
「わっ?!」
いつものラーメン屋で頭を無邪気に撫でてくれるアンナさん。周りのお客さんや店主さんは、いつもの光景だとニコニコしている。
最近はアンナさんの言った通り、少しずつ指名を貰えるようになってきた。
もちろんアンナさんのおかげでもあるんだけど・・それだけじゃない。
『ピーピーピー』
「あ・・!」
持っているバックからポケベルが鳴る。慌てて取り出して表示されている数字を確認する。
『71410421(まだか)』
(あっ・・やばっ・・・!!)
「すみませんアンナさん!私帰らなきゃ!」
「え、もう?最近早いねぇ。」
「えぇ、まぁ・・ご馳走様でした!また!」
バタバタ慌ててお店を出る私を見ていたアンナさんはと店主さんは、急ぐ私の背中を見ながらこんな事話してるんだろうなぁ。
「・・男ね。」
「男やな。」
・・・すみませんアンナさん、ある意味男なんですけど・・そんな甘酸っぱいものではないです・・・。
慌ててボロアパートに戻って自分の部屋に入ると——その人は待っていた。
「遅いでシエル!今日やる言うたやろ!」
「ごめんなさい真島さんっ!アンナさんとご飯食べてて・・。」
「またかいな・・ホンマ仲がええのぉ。ほれ、始めるで。」
「はいっ!」
そう。あの日言ってくれた通り、体調が戻った真島さんは私の接客練習をしてくれている。毎日ではないけど時間を作ってこうして練習をしている。
グランドに入りたての時も思ってたけど・・真島さんの指導は本当に的確で分かりやすい。改善しなきゃいけないところ、伸ばしていいところ、全部細かく言ってくれる。
おかげで大分接客のコツも分かってきた・・・さすが支配人・・。
「確かに指名は増えてきとるが・・追加注文がもう少し欲しいの。そうすりゃ単価も上がって売上も仰山増えよる。・・・今日はおねだりの練習でもするかの。」
「おねだり・・ですか・・・。」
苦手なんだよなぁ~・・・お金厳しそうな人相手にそれ以上追加してくださいとは言い辛いし、かといって余裕のある人でも図々しいって思われたくないし・・・そもそも人に甘える事てなかったからどう言えばいいのかもいまいち・・。
「・・おい、現実戻ってこい。」
『コツン』
「痛っ!」
「ったく、ぼーっとすんなや。さっさと始めるで。」
いつの間にかグラスや氷を用意していた真島さんは隣に座ってくる。
その近さに・・少し心臓がドキドキする。
「ほんで?シエルは普段どないして甘えてるんや?」
「えっと・・・。」
いつもの甘え方・・・甘え方というか、なんというか・・。
「お客さん、もう一杯いかがですか?」
「・・・・・。」
「・・・。」
「・・・・・え、そんだけ?」
「・・・・・はい・・・。」
(これだけです、はい・・・。)
「・・そら追加注文貰えへんわけやな。」
「うっ・・。」
そりゃそうですよね・・・。
分かりやすく沈んでると、真島さんは大きく溜息を吐いた後にそっと私の足に手を置いてきた。驚いて真島さんに顔を向けると、目線を低くしてトロンとした目をしていた。
「俺まだ飲みたいんやけど・・一緒に飲まへん・・?」
「~~~~っ!!!」
(や・・ばい・・・!)
低く甘い声でそう呟いてくる真島さんの甘え顔が・・反則級にやばすぎるっ・・!!えっ、確かにそんな顔で言われたらイチコロだけど・・・・・。
・・・よく見たら・・真島さんってかっこいいよね・・眼帯だけどそれがまたいいというか・・やばっ・・視線・・・逸らせない・・真島さ———
「おい。」
『ゴスッ』
「痛っ!!」
チョップ・・・!!え、チョップしてきた!!
「ちょっ・・酷いですよ真島さん!」
「ボケ―っとしとるからやド阿保。ほれ、実践やで。」
「うっ・・・。」
実践って言われても・・・さっきの真島さんみたいに・・。
目線を低くして・・・上目遣いで見つめて・・手を足にそっと置いて・・・甘い声を意識して・・・。
「もっと飲みたい・・です・・・一緒に・・飲みませんか・・?」
「・・・・・。」
・・・・真島さん、何も反応してくれない・・。
だ、駄目だったかな・・うぅ・・何も言ってくれないの不安だし恥ずかしい・・!
真島さんの目を見ていられなくて視線を少し逸らすと・・真島さんはわたしの顎に指を添えて顔をくいっと上げてくる。
「えっ・・?」
「・・その目や、シエル。」
「・・っ・・!」
「そのまま・・目を見るんや。」
真剣な目で見つめ合う私達。練習のはずなのに・・真島さんはアドバイスをしないで、ただじっと目を見ていた。
「・・あ・・・。」
「・・・・。」
(・・真島さんの目・・綺麗・・・。)
本当・・片目が勿体ないくらい綺麗な目・・・。
さっきから心臓の音がうるさい。少しずつ私の頬が赤くなってくるのが分かる。顔が熱い、体が熱い。
私の顔の変化に気付いたのか、真島さんは少しだけ目を細めて顔を近づけてくる。
「・・・シエル・・。」
(・・もし、このまま・・目を閉じたら・・・真島さんは・・?)
真島さんはどうするんだろう。
私は・・その時を待つ為に目を閉じ————
「これ、戻れド阿保!」
『ドゴッ』
「痛っ!!!」
ま・・・またチョップされた!強めなチョップ!!
でも・・その真島さんのチョップで一気に現実に戻る。
「ったく・・ほれ、次やるで。」
「・・はい・・・。」
・・ちょっと残念に思っちゃうのは・・・何でなんだろう。
私は真島さんに・・キスされるのを望んでた。雰囲気にのまれてたから?その目に魅了されたから?
・・それだけじゃ、ないよね・・・だって・・。
(まだ心臓がドキドキしてる・・。)